物理学と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
恐らく有名な所でいうと相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインや万有引力の法則を見出したアイザック・ニュートンなどが挙げられるだろう。
学校を卒業してしまうと物理学というものを日常で触れる機会は少なくなってしまい、物理学に限らなくとも、多くの方がそれまで習ってきた多くの学問に触れる機会が極端に減ってしまう。
そんな物理学は基より「学び」に今、新たな光を当てようとしている人物がいる。
東京学芸大学宇宙物理学研究室
小林 晋平 (こばやし しんぺい)准教授
Shinpei Kobayashi, Shimpei Kobayashi
理論物理学者
1974年長野県長野市生まれ。
京都大学理学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。
専門は宇宙物理学・素粒子物理学。
東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター研究員,日本学術振興会海外特別研究員(カナダ・ウォータールー大学,ペリメーター理論物理学研究所),国立群馬工業高等専門学校准教授を経て,現在,東京学芸大学教育学部物理科学分野准教授。
(転載:Kobayashi Shinpei Website
https://www.shimpeikobayashi-qg.jp/pages/3451999/page_201912171611)
小林准教授が企画し、東京学芸大学宇宙物理学研究室の学生をはじめ、自らがパフォーマーとなり繰り広げる超実験的サイエンスエンターテインメント、「夜学/Naked SingularitiesVol.2」が2月28日にMISTLETOE OF TOKYOにて開催される。
クラブ仕立ての空間で宇宙物理を体感するイベントとは一体どんなものなのか?
小林准教授は次のように語っている。
例えば集客のために、「難しい数式は一切用いずに,わかりやすくお話します」という宣伝文句を用いることはよくあります。
そうすれば、当然表面だけのお話しかできません。逆に数式を多用すれば、実質的に科学ファンのためだけのイベントになってしまいます。
一部の方だけが盛り上がってしまい、ほとんどの方が白けてしまったことも一度や二度ではありません。
「間口を広げようとすれば浅くて簡単な内容しか話せないし、深い話をしようとすればコアなファンしか集めることができない」という、どんな分野でも、どんな業種にも共通するジレンマといつも戦っていました。
しかし僕は、「本当は両立が可能である」という信念も持っていました。
物理嫌いの人はもちろん、勉強嫌いにも学問をエンターテイメントとして体験させ、しかもその後に自ら学びたくなる気持ちを芽生えさせることは不可能ではないはずだと。
それは全く新しい学びになるだろうけれども、勉強嫌いな生徒や斜に構えた「大人」連中が興奮し、その後には「ちょっと勉強してみるかな…」と思わず言い出してしまうようなことができるはずだと。
恥ずかしながら高専教員時代には6年連続でベストティーチャーに選ばれ、「やる気の無料配布」という二つ名まで与えられた自分としては、今度はそれを全世界相手にやってみたいと思っていたわけです。
(転載:夜学/Naked Singularities Vol.0 開催レポート その1)
https://note.com/explayground/n/na8bae070b100
ダンスミュージックとアルコールを楽しめるクラブ仕立ての空間で、学問を新たなエンターテインメントコンテンツとして打ち出す事によって、学びに対する敷居や固定概念を取り払ってしまうのである。
そして小林准教授のパフォーマンスもこのイベントの注目すべきポイントの一つだ。
磨き上げられたその巧みなトークスキルによって、オーディエンスを魅了し、いつの間にか物理学の虜になってしまうのである。
来場者は作り上げられた精巧なコンテンツの中で、置き去りにされることなく物理学の持つ本来の「凄さ」を知る。
それにより、溢れ出る知的好奇心の欲求を抑えられなくなっている自分を認識してしまい、もう昨日までの自分には戻ることはできない。
さらに今回のVol.2では、大規模イベントの演出及び制作を務める錚々たるメンバーが参加することで、コンテンツはもちろん、イベント全体のクオリティにもより一層磨きがかかっている。
「夜学/Naked SingularitiesVol.2」
学びの本来の姿とは一体どんなものなのか?
このイベントによって、学問が堅く難しいというイメージを持つ時代が終わりを告げるのも時間の問題なのかもしれない。
以下、小林准教授のメッセージ。
「学問は机の上だけでするものではありません。もちろん物理学も─。
『夜学』は夜にする学び。物理学を中心とした様々な学問を、クラブ仕立てのスペースで体感するイベントです。東京学芸大学宇宙物理学研究室のメンバーが中心となって、パフォーマンスも行います。
学校での昼の学びを既存の枠組みとするなら、「夜学」はその枠を外す学びの場です。夜には不思議な高揚感があります。ときには怪しさや妖しさも。
宇宙の始まりや宇宙の果て、ブラックホール、そして時空や次元…。それらの面白さを体感する、新しい学び方を提案します。
物理学は、世界を丸ごと受けとめるための方法です。
この空間に、物理を浴びに来て下さい。」
■Produced By
東京学芸大学宇宙物理学研究室(小林研)
PHYSIS Entertainment, inc.
丸小技研工業
United Code Limited
■Powered by
MISTLETOE OF TOKYO
Massasoit, inc.
■date:
2020.02.28 (Fri.) 19:00-23:00
■place:
MISTLETOE OF TOKYO
東京都目黒区大橋2-22-42 No.R池尻大橋 B1
(転載:夜学/Naked Singularities Vol.2)
https://spark.adobe.com/page/vKcE4rkeBXUTD/?fbclid=IwAR1kLA2H09TdUa2wLS509cqJYYEygeCbmZw7hdwXh-HpgoJNE0LBbRq2RrM