Culture

「音楽の力」という言葉が暴走しない音楽文化を創造する

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2020年2月2日の朝日新聞に【「音楽の力」は恥ずべき言葉】という見出しで、ミュージシャンの坂本龍一さんによるコメントが掲載されていました。目にした方も多いのではないでしょうか?

坂本さんは、災害が起きた時などに、やたらと使われる「音楽の力」という言葉に強い嫌悪感を抱いています。日本のメディアは「音楽の力」という言葉を万能薬のように使う傾向があります。例えば、「音楽には癒しの力がある」とか、「音楽にメッセージを込める」とか、音楽を社会的・政治的に利用することが、坂本さんは嫌いだそうです。

坂本さんが音楽をやっている理由は、「自分が音楽を好きだから奏でているだけ」。このひとつの理由だけです。ピアノを弾くことは、一緒に聴いて楽しんでくれる人がいれば、より楽しくなるけれど、子供の時から1人きりでも十分、楽しめたそうです。だから、音楽家が音楽で人を癒してあげようなんて考えたら、おこがましいことだと思っているそうです。

この新聞記事は、心にドーンと響きました。

私はピアノ歴44年。ピアノを弾くことは、暮らしの一部になっています。44年間、ずっとピアノを弾くことが好きだったわけでもありません。だけど、ピアノから離れていた時も、いつも音楽は自分のそばにいたような気がします。

3歳からクラシックピアノを始めたけれど、中高生時代には好きなアーティストの曲を弾きたくて、耳コピを覚えました。その時はコードなんて言葉も知らず、メロディに合う伴奏をつけて、自分勝手に楽しんでいました。

大人になって、ジャズピアノを始めたら、今までバラバラに勉強してきた音楽のさまざまなことがつながってきました。ジャズのアドリブを習得していく過程は、音楽の幅をぐーんと広げてくれるきっかけとなりました。

しかし、ピアノの弾き方については、クラシック・ポピュラー・ジャズと、それぞれリズムが違いすぎるので、弾く前に、気持ちや体の使い方を整えるのが大変!また、鍵盤の叩き方もスピード感が違うので、すべてを弾きこなすのは至難の業ですね。

私は音大出身でもないし、特別有名な先生にピアノを習ってきたわけでもありません。ただただピアノをいかにして楽しみながら上達していけるのか?だけにこだわってきました。

そんな私がたどりついたピアノ勉強法は、「クラシックピアノはスキルアップのために勉強。ジャズピアノは理論やアドリブを習得するために勉強。ポピュラーピアノは見て、弾いて、聴いて楽しい曲だけを勉強。」というスタイルで定着しています。

そんな気持ちから始めた「ピアノを弾きたい人」と「ピアノを教えたい人」を繋ぐサイト運営。音楽に携わる人は、坂本さんと同様に、自分が楽しめていることが一番ですね!

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