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ブルーノートの80年を綴ったドキュメンタリー映画と曲の数々

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創立80周年を記念して、昨年からブルーノート旋風が巻き起こっています。2019年9月6日公開のドキュメンタリー映画『ブルーノート・レコードジャズを超えて(原題:Blue Note Records:Beyond The Notes)』の上映や、ブルーノート・レーベルの最新ガイドブックの販売、Apple MusicやSpotifyではアニバーサリーの数字にちなんだ80曲を収録した「ブルーノート・ザ・80ワークス」を展開。

ブルーノート・レコードは、1939年にドイツからアメリカに渡ったジャズ好きの青年が創立。彼の名前はアルフレッド・ライオン。当時、貿易商をしながらニューヨークのジャズクラブに通いつめていたライオンは、ブギ・ウギ・ピアノが大好きでした。

1939年1月6日、マンハッタンの貸スタジオでピアニストのアルバート・アモンズとミード・ルクス・ルイスのレコーディングを行ったことが、ブルーノート誕生のきっかけとなりました。翌年、ドイツ時代からの親友であったフランシス・ウルフがニューヨークに移住したことをきっかけに、ブルーノート・レコードをさらに大きく成長させていきました。

ブルーノートの歴史を語るにあたり避けては通れない人物として、レコーディング・エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーと、デザイナーのリード・マイルスがいます。ルディが録音した曲のジャケットデザインをリードが手がけ、後世に語り継がれる作品が次々と生み出されました。

ブルーノート誕生から80年。公開された『ブルーノート・レコードジャズを超えて』には、ハービー・ハンコックやロバート・グラスパー、ノラ・ジョーンズなども出演しています。

ジャズはアドリブから成りたっているといっても過言ではないほど、何もないところから瞬間的に創作される音楽です。一般には、ジャズは敷居が高い音楽とも言われますが、この映画で取り上げられた数々の曲によって、若者たちにもジャズを身近に感じてもらえるきっかけとなるのではないでしょうか。

また、若者たちを魅了しているヒップホップにおいても、ブルーノートの古いレコードが幾度となくサンプリングされてきたことは有名です。ヒップホップのプロデューサーは当時、黒人街の学校で音楽プログラムが廃止されたことにより、楽器としてレコードを使わざるをえない状況にあったことを語りました。そんな歴史がヒップホップにあったとは驚きです。

ブルーノート・レコードが、名だたるミュージシャンを輩出し、80年もの歴史を築いてきた背景には、彼らが本当にやりたい音楽を自由にできる環境を提供し続けてきた創立者たちの想いがあったからではないでしょうか。

音楽業界がシビアになっている昨今、ブルーノート・レコードのようにミュージシャンから信頼を得ているレコード会社は決して多くないのかもしれません。

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