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新型コロナ対応策として、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のデジタルコンサートホールが無料開放!

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新型コロナウイルスの影響を受けて閉鎖されたベルリン・フィルハーモニーホールが、インターネット上に開設されたデジタルコンサートホールにおける全てのコンテンツを無料開放しました。

鑑賞に際して必要になるのは、新規のユーザー登録と、共通クーポンコードの入力のみとなっています。


Berliner Philharmoniker Digital Concert Hall ウェブサイト
https://www.digitalconcerthall.com/ja/home


ベルリン・フィルには現代を代表する世界的なソリストやアーティストが多く所属しており、楽団としても現代クラシック音楽界の頂点に位置しています。

世界最高峰のオーケストラであるベルリン・フィルのコンサートを自宅から無料で鑑賞し放題なんて、クラシック音楽ファンにとっては夢のようなニュースでしょう。そして、これを機にクラシック音楽への扉を開けてみようという方にとっても、またと無い素晴らしい機会となるはずです。


「ベルリン・フィル」の持つ、格調高く豊かな音の響き


「名門三大オーケストラ」として名を馳せる、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルト、そしてベルリン・フィル。

その中でもベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は現代クラシック音楽界の世界最高峰として名高く、格式高いブランド価値を誇っています。

ベルリン・フィルの演奏の特徴は、その重厚さにあると言えるでしょう。身体の芯までズーンと響くような重たい音色に、迫力という言葉を使うことも躊躇してしまうほどの荘厳さ。その重厚感がコンサートホールで鑑賞するクラシック音楽特有のダイナミクスをより際立たせ、観るものに大きな衝撃と影響を与えるのです。

また、統率のとれたオーケストラと、それを牽引していく指揮者の信頼関係も格別。休符ではピタリと時が止まったかのような表現力に息を飲んでしまいます。


無名の天才マエストロ「キリル・ペトレンコ」


現ベルリン・フィルで特に注目したいのは、首席指揮者のキリル・ペトレンコ。

ロシアのオムスクに生を受け、ヴァイオリン奏者の父と共にオーストリアに移住。聖地・ウィーンで指揮者としての教育を受けて育ちました。

ベルリン・フィルに所属するまではバイエルン国立歌劇場の音楽総監督として活躍しており、2006年にベルリン・フィルと初共演。それからわずか3回の共演で、ベルリン・フィルの首席指揮者という帝王の座を獲得しています。

彼のマエストロとしてのストイックさは凄まじく、密度の高いリハーサルや、オーケストラに対して解釈を徹底させることが知られています。

また、自身の紡ぎ出す音楽に対して非常に厳格であることからレコーディングした音源の発表を拒否し続けており、ベルリン・フィルに所属する以前のCDは殆どありません。そのため、彼がベルリン・フィルの首席指揮者に就任した際は「幻の指揮者」、「無名の天才」と呼ばれ、世間に大きな驚きを与えました。

彼自身はそういった厳格さを持つ自らの音楽づくりに関して「リハーサルで抑えてきた感情の箍(たが)を、演奏会の瞬間に外して開放する」と語っています。



ベルリン・フィルで初の指揮を振るったペトレンコによる「チャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』」を鑑賞すると、その言葉の意味がよくわかります。激しく沸き立つようなペトレンコの放出するエネルギー、そしてそれに負けじと食らいつくオーケストラの、激しい闘いを観ているような気さえしてくるのです。

その爆発的でエモーショナルな公演は、クラシック音楽初心者でも飽きずに楽しめるに違いありません。

なお、チャイコフスキーの逝去間際に制作された『悲愴』は第2楽章でメランコリックな4分の5拍子のワルツとなるのですが、これはペトレンコのルーツであるロシアの音楽としては典型的で、ベルリン・フィルの首席指揮者として初のコンサートにおいてはまさにうってつけの選曲だったと言えるでしょう。

クラシック音楽には自律神経を整え、聴くものに癒しを与える作用があると言われています。

新型コロナウイルスによる外出自粛要請などでストレスが溜まりやすい今だからこそ、質の高いオーケストラによるクラシック音楽を鑑賞することで気持ちの安定を図ってみるのも良いかもしれませんね。


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