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ラグビーワールドカップから見えた3Dプロジェクションマッピングの確立

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ラグビー熱が非常に高まった昨年、ラグビーワールドカップで奮闘した日本代表チームの活躍もさることながら、その開会式をテレビで見ていて心が高ぶった方もいるのではないでしょうか。

令和元年となった2019年9月20日に、東京スタジアムで催されたオープニングセレモニーでは、巨大スクリーンと多数の照明にスピーカー、そして広大なフィールドに投影された3Dプロジェクションマッピングに魅せられました。

何もない空間に映し出される美しい映像は、日本の伝統芸能や模様が多く、そこに大人数のパフォーマーが加わることで、平面と立体の躍動感が視覚的に楽しめるものとなっていました。

プロジェクションマッピングの映像、迫力を感じる踊りに合わせた音楽は、能や雅楽にも共通する太鼓や笛の音といった、歴史の長い楽器の数々を使用したもの。

舞と音楽だけで考えれば古来から楽しまれてきた娯楽ですが、その背景を「空間に投影する映像」と合わせたことで、国際試合であるワールドカップの日本大会であることと、国内人気で言えば下火に近かったラグビーというスポーツの注目度を高めることに、一役買ったのではないでしょうか。

建物や土地に色を与え、見る人を楽しませるという思想は、芸術家や大工にも昔からあったでしょうが、1990年代にスライド映写装置を使用した現在のプロジェクションマッピングの基礎が築かれ、やがて空間に対するリアルタイムのデータ投影により、躍動感を得たことで3Dプロジェクションマッピングは確立されたように思います。

近頃頻繁に耳にするようになった次世代通信「5G」が実用化されれば、音と映像のデータを手元で操ることが今以上に容易になることでしょう。

個人個人が持っているスマートフォンやパソコンなどを使い、大容量の映像データを短時間でプロジェクターから投影することが出来れば、街や公園が幻想的なアート空間に早変わりすることも可能になってくるのかもしれません。

試合中のサッカー場に迷い込んだような視点から、試合観戦をしているCMもありましたが、ラグビーや野球でも同じような観戦スタイルが次世代通信技術を用いて可能になるかもしませんし、想像していたものも、想像以上のものも、生活の一部として浸透していくのかもしれません。

「新しい未来」を感じさせてくれる技術が更に普及していくことで、色彩豊かな映像美と音楽美が融合した、想像を超える作品が目の前に広がってくれること、スポーツや生活にもまだ見ぬ鮮やかさが増えることを今から楽しみにしています。

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