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<Musician’s Question Vol.2>一部屋で完結 “ベッドルーム・ミュージシャン” とは?

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<Musician’s Question>ではアーティストが活動する上での疑問や問題、音楽業界に関しての知られざるさまざまな情報を発信しています。


第2回のテーマは、グラミー賞の主要部門4冠を達成したビリー・アイリッシュをはじめとした「ベッドルーム・ミュージシャン」です。


<目次>

1.ベッドルーム・ミュージック、ベッドルーム・ミュージシャンとは

2.代表的なアーティスト

3.主な必要機材






1.ベッドルーム・ミュージック、ベッドルーム・ミュージシャンとは


ここ数年、5〜6年でしょうか、「ベッドルーム・ミュージック」、「ベッドルーム・ミュージシャン」という言葉が音楽誌や音楽メディアで飛び交うようになりました。

調べてみると、DAWを用いて「プロデュース」の作業が自分自身ででき、ベッドルーム(寝室)ほどのスペースとPCさえあれば作曲、発信まで完結してしまうアーティストがベッドルーム・ミュージシャン、作り出される音楽がベッドルーム・ミュージックと呼ばれているそうです。

台頭の理由の1つとして、テクノロジーの発達により、かつては大掛かりなスタジオやハイエンドな機材がなければできなかった楽曲制作が、PCと音楽制作ソフト、それと少量の機材があれば可能となったことが上げられます。

また、サブスクや音声ファイル共有プラットッフォームの普及により、上記の環境さえあれば世界中に発信することも容易になったという背景があるようです。

そして、そんなアーティストたちがヒットを放ち、一大ムーブメントを起こし、「ベッドルーム・ミュージック」、「ベッドルーム・ミュージシャン」という言葉を作り上げるまでになりました。





2.代表的なアーティスト


▼ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)from US

2001年12月18日生まれ、アメリカ合衆国のシンガーソングライター。先日のグラミー賞で39年ぶり、史上二人目となる「主要4部門4冠」を達成。彼女のプロデューサーである兄のフィネアス・オコネルが、グラミー賞受賞時に「ベッドルームで制作をしている子供たちに捧げます、君もグラミーが取れるよ」とのコメントをした通り、ビリー・アイリッシュの楽曲は未だにベッドルームで、誰にでも揃えられるような機材で制作されています。


▼クレイロ(Clairo)from US

1998年8月18日生まれ、アメリカ合衆国のシンガーソングライター。若干19歳であった2017年にYouTubeへ、まさにベッドルーム・ミュージックな楽曲「Pretty Girl」を投稿。ローファイながら類稀なるポップセンスを持つ飾らないClairo自身が歌うこのミュージックビデオがバイラルヒットとなり、ベッドルームから世界に躍り出ました。現在もAbleton LiveとGarageBandのみを使用しているそうです。


▼レックス・オレンジ・カウンティ(REX ORANGE COUNTY)from UK

1998年5月4日生まれ、イギリスのシンガーソングライター。アデルをはじめ、キング・クルール、コスモ・パイクなどを輩出した名門音楽学校<ブリット・スクール>出身。2015年、宅録による自主制作アルバム『bcos u will never b free』を発表し、同作品がタイラー・ザ・クリエイターの耳をとらえ、彼の4作目のアルバム『Flower Boy』に参加し、その早熟な才能は海を越え、アメリカでも話題になりました。ソウル、ロック、ヒップ・ホップ、さらにはクラシカルな音楽を全て取り入れ、キャッチーな楽曲に落とし込むスタイルは世界中から注目されています。


▼プム・ヴィプリット(Phum Viphurit)from Thailand

 1995年8月16日生まれ、タイのシンガーソングライター。「Lover Boy」のブレイク以降、「ROLLING STONE」誌から「タイで最初のインディー・ポップ・スター」と評されました。ネオソウル、ファンク、ロック、フォークの影響を受けた爽やかで心地よいインディ・ポップサウンドが売りです。タイのレコードレーベルRats Recordsと契約していますが、SNSや、クラウド・ファンディングを活用してアルバム『Moonchild』を制作するといった、セルフプロデュースで世界的な人気を獲得しつつある、新しいアーティストの形を体現しています。






3.主な必要機材

例としてムーブメントの中心であろう、ビリー・アイリッシュのスタジオ機材をご紹介します。

・Yamaha HS5 Nearfield Monitors — (¥14,025 税込)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/184217/


・Yamaha H8S Subwoofer — (¥36,520 税込)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/184219/


・Universal Audio Apollo 8 —(¥247,500 税込)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/202719/

※つい最近の導入

・Apple Logic Pro X — (¥24,000 税込)
https://apps.apple.com/jp/app/logic-pro-x/id634148309?mt=12


・Audio Technica AT2020 Mic — (¥10,780 税込)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/16117/


最近導入されたというオーディオインターフェイスはハイエンドなものですが、そのほかの主要機材はポピュラーで、比較的安価なもので揃えられています。



まとめ

YouTube、Twitter、Instagram、SoundCloud、各種サブスクなどを用いて、0円〜ローコストで楽曲を世界に発信することができる現代です。アーティストにとって、ライブやハイエンドな環境でのレコーディングももちろん大切なファクトですが、制作、プロモーションの方法はそのほかにもたくさん存在します。

0コストで楽曲をネットワークの海に断続的に放ち、フィードバックをもらい、人気曲が生まれたらレコーディング、ライブをするなど、時間的・金銭的コストとリターンのバランスを考えてみても良いのではないでしょうか。

「ベッドルーム・ミュージック」、「ベッドルーム・ミュージシャン」という一種のムーブメントは、音楽活動をサステナブルなものに変えていくことができる、1つの希望だと考えます。この情報であなたの音楽活動の幅が広がることを願っています!


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