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音楽で救う人、救われる人

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日本国内でも、年々ボランティア団体の数は増えておりさまざまな活動・支援が行われています。

海外の音楽を通じたボランティア・慈善団体も多く、さまざまな形で、多くの人たちを対象に行われています。こういった活動を知ることで今まで以上に音楽の魅力や力を感じ、同時にさまざまな社会問題を考えさせられます。

1992年よりジェフ・キャンベルは「HungryforMusic」を創設し、ストリートミュージシャンのコンサートの開催や、ホームレスをさまざまな「餓え」から救う活動を行ってきました。さらに子供向けの音楽の場を拡大することに専念し、HungryforMusicでは既に13,000以上の楽器を音楽に興味を持った人たちに渡しています。音楽の高揚感と人生を変える贈り物によって子供たちを救っています。

ギターやトロンボーンからバイオリン、木琴まで、アメリカ49州と30カ国の子供たちに毎年500を超える楽器を収集・修理し届けています。彼らは25年にわたる活動の中で音楽コミュニティの全力を尽くしています。

『HungryforMusicの目的は、音楽の肯定的な性質を受け入れることです。コミュニティを作成し、インスピレーションを与え、才能を表現し、団結し、最も重要なのは癒す能力です。』–JeffCampbell

GuitarsOverGuns」は、マイアミを拠点とした非営利団体です。貧しさや、恵まれない背景を持った学生に音楽教育とプロのミュージシャンとのコミュニケーションなども提供しています。

音楽と芸術の指導を通じてチームワーク、リーダーシップ、自信、規律、外交、説明責任、忍耐、自尊心、勇気、共感など、音楽を作ることを学んでいる間に習得するスキルや才能、人生の教訓は、人生の他の分野に変換され、活力をもたらし、社会的問題と感情学習、双方で成果を上げました。また、社会的・感情的学習測定を使用して、共感、チームワーク、イニシアチブ、責任、問題解決などの主要な能力を評価しています。最近の評価では、GuitarsOverGunsの学生の90%以上が学業成績、全体的な行動、意思決定やスキルなどを向上させたことが示されています。

GuitarsOverGunsの目標は、次のJay-Z、RickyMartin、Adeleを生み出すのではなく、生徒が学校や職場で、そしていつの日か自分の家族を持つ大人として、また地域のリーダーとして成長するために必要なライフスキルを構築する方法として芸術を使用する機会を与えることです。

DrakeMusic」は、音楽、障がい、技術に取り組むイギリス全土で活動する国立芸術慈善団体です。音楽は適切な機会が与えられれば、誰もが創造的で音楽的な可能性を実現できるという信念のもと、誰もが音楽を楽しめる機会を作り、障がい者と健常者が平等に協力するボーダレスな音楽文化を構築しています。

障がいを持つ人々と音楽を作るためにより多くの新しいアクセシブルな楽器とテクノロジーを研究開発しています。芸術的開発プログラムは、障がいのあるミュージシャンが仕事を進めることを支援し、教師、音楽ハブ、その他の組織にトレーニングとコンサルティングを提供しています。

TheSpitz」は、ロンドンの最高のミュージシャンの一部を利用して、参加型の音楽セッションと公開イベントは、質の高いライブ音楽の力により精神的および肉体的な参加を通じて不安を和らげ、相互作用を促進し、幸福と記憶を改善することが証明しています。

音楽を通じて、社会的および経済的、年齢、民族、障害、文化、その他の不利益の結果として孤立する可能性のある人々を結び付けます。昨年、これらの活動と成果を称え市長から「文化と福祉2019」の賞が授与されました。

HelpMusiciansUK」は音楽を職業とたあらゆるジャンルのプロのミュージシャンのためのイギリスを代表する慈善団体です。様々な危機的状況に対応するほか、アドバイスをするなど常にミュージシャンの為に貢献しています。音楽のキャリアには不均一なパターンがあり、多くのミュージシャンは他のタ仕事から収入を補う必要があります。アマチュアのミュージシャンや作品制作にかかる費用などへの支援は対象としていませんが、プロとしての活動においての支援をしています。

ニューヨークに拠点を置く「ダニエルズ・ミュージック・ファンデーション」は、2006年に設立された非営利団体であり、音楽プログラムとコミュニティおよび社会との組み合わせることにより、発達障がいおよび身体障がい者を支援しています。12年以上にわたり、彼らは音楽の変革力を通じて、理解、相互尊重、感謝に基づいたコミュニティを構築してきました。

始まりは、幼いダニエルが12歳の頃に脳動脈瘤の1つが予期せず破裂し、30日間の昏睡状態に陥ったのち、2ヶ月で容体が安定し奇跡的に1年後には退院したことがきっかけでした。障がいを抱えたダニエルに家族は最大限の愛情を与えました。そしてダニエルは音楽に出会いました。家族は障がいのある者でも利用できる音楽プログラムを探し見つけました。音楽の演奏と卓越性、音楽療法に焦点を合わせた音楽院がありましたが、残念ながら入学には間に合いませんでした。ダニエルはそのような自身の経験からダニエル音楽財団を設立し、音楽を通し障がい者の支援をはじめました。

MusicSupport」は2016年4月から慈善団体として運営されています。創設者は音楽退役軍人であり、さまざまなメンタルヘルスと依存症の問題を解決してきました。音楽業界は、誰もが働くことができる、最も創造的で楽しい業界の1つです。音楽業界から楽しさを奪うことではなく、業界で働いている誰に対しても十分なサポートを提供することです。プロバイダーや治療センターと提携はしていませんが、優秀な臨床医や医療提供者と素晴らしい関係を築き、クライアントに道標を提供しています。あらゆる種類のサポートを必要とするイギリスの音楽業界で働いている人を助けています。不安とうつ、メンタルヘルス救急、自己認識と回復力、仕事と私生活の境界、中毒とアルコール依存症の性質に対して音楽慈善活動を行っています。

このほかにも世界中には多くのな慈善団体やボランティア団体があり、さまざまな状況を対象にいろいろな方法で音楽を通じた支援を行っています。芸術だけではない音楽の価値、力は果てしなく、人々を魅了し続けています。残念ながらいまだにアジアではこのような団体は少なく、また音楽に対しても価値観が異なっており、それは固定概念なども関わっていると思われます。

音楽を通し、楽しみ、癒され、助け合い、共感し、魅了されればより豊かになると感じます。心の豊かさは、市場の豊かさや犯罪の低下にも繋がります。慈善活動やボランティアに参加しなくても音楽を楽しみ、共有することが大きな一歩となるのではないでしょうか。

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