Spark7、Cube-Ray、TRIMULTI、soLiなど自身のプロジェクトから浜田麻里やFukiなど数多くのサポート活動も行い国内外問わずワールドワイドに、そして世界中のミュージシャンからの評価も高いロックギタリストISAO。多弦ギターを駆使し様々なジャンルに対応する幅広いテクニックでラウドロックやジェント(Djent)だけでない多弦ギターの可能性を引き出し証明している。そんなISAOデビュー20周年記念コンサート「Symphonic Spark7」が11月28日に行われた。ISAO自身初のオーケストラを用いての活動の集大成ともいえる一夜限りのコンサート。
場所は西東京市の保谷こもれびホールのメインホール、奥行き豊かで広く残響音は1.7秒と音楽において広がりと深みを演出する設計となっている。約700席ある広い会場はコロナ対策もありわずか200席となっていた。
19時に開演とともにオーケストラの人達が現れチューニングを整える。
そしてISAOのプロジェクトsoLiのメンバーでありバイオリニストの星野沙織が指揮者として登場。 オーケストラのみでプレリュードとしてKaleidoscopeの演奏が始まった。
Kaleidoscopeのオーケストラアレンジが凄く重厚かつ幻想的で瞬間に世界観をISAOらしさを演出。その演奏の中、バンドメンバーのベーシスト森田悠介とドラマーの前田遊野が現れ持ち場に付く。
1. Cube-Ray
バンドメンバーが持ち場に付きオーケストラによる前奏が終わると、そのまま1曲目Cube-Rayのイントロが始まりISAOが登場する。2005年にベーシストIKUOとドラマーの長谷川浩二と共に結成したプログレバンドのCube-Rayの代表曲であり作曲者のISAO自身の代表曲として数多く演奏してきたロックナンバー。管楽器の重厚さがよりロックとなじみストリングスが壮大なアレンジがされておりバンドとオーケストラとバランスが非常にかっこ良くダイナミックな楽曲となっている。
2. Gain the Day
続けて2曲目のGain The Dayが始まる。少しフュージョン的で自身のセッションでもよく用いられている楽曲がハープとピアノの幻想的な雰囲気でイントロが始まった。なんとサックスソロが組み込まれた演出があったりとSpark 7らしいバンドアンサンブルが印象的かつオーケストラによる広がりはこの曲の新たな一面を見せてくれた。
3. Cold Feet
Gain The Dayが終わるとオーケストラの人達は一旦履けてISAO自身の原点回帰としてギター、ベース、ドラムだけでの演奏をすると言う。Spark7ではキーボードが必ず入り場合によってはギターも更に加わって演奏される事が多い。そんなSpark7の楽曲をトリオで出来るのかと演奏が始まった3曲目Cold Feet。この楽曲はISAOが7弦から8弦へとメイン機として変わった時に作られた楽曲でギターでベースの様なスラップをメインリフにされて構成されている。そして本来オルガンで演奏されているメロディをなんとベースで演奏するアレンジがされている。リズムをギターでメロディをベースが演奏する本来ならば逆に考えられる事を多弦だからこそ、そして演奏力の高いメンバーだからこそなせる演出がされて全くトリオとは思わせないスリリングな演奏となっていた。
4. Zombies in a Dream
そのまま4曲目Zombies in a Dreamが始まる。ISAOらしいともいえるポリリズム的な激しいロックナンバーでありタイトルにもあるようにゾンビゲームをイメージとして作られている。この楽曲も本来キーボードやバッキングギターがあるなかトリオでのヘビーで疾走感ある演奏されておりベーシストの幅広いアレンジサポートとドラムの間を開けさせない手数アレンジなど演奏力の高さが存分に引き出されている。
5. Atomic Destruction
そしてキーボードのMaoが呼ばれて4人編成でキーボードとギターの幻想的なインプロヴィゼーションから5曲目Atomic Destructionが始まった。 ISAO自身ならではのパワーバラードナンバーでもあるこの楽曲はとにかくテンポが遅くヘビーなのが特徴。キーボードが加わりそして会場の作りからか重厚感が凄く増したこのスローなヘビーバラードインストをここまでカッコ良くスリリングに超絶テク満載で弾きこなせるギタリストはなかなかいないだろう。凄く引き込まれてしまう。
6. Tri-Stars
再びオーケストラの人達を呼び込みオーケストラコンサートへと進む。 幻想的なクラシックの様なストリングから始まったのは6曲目Tri-Stars。オーケストラのダイナミックスに鳥肌が立ってしまった。正にこれは映画音楽の様な壮大になって原曲とはまた違った印象が現れこの曲の美しさが際立った様に思える。またドラムソロでのオーケストラがスリリングに演出しこの曲の新たな面が垣間見れた様なそんな壮大な楽曲へと進化していた。
7. Cricket Chorus
そのまま7曲目のCricket Chorusが始まった。これもまた原曲とは違った印象を付けたアレンジがあり、強いて言えばルパン三世や踊る大捜査線のテーマソングの様なスリリングかつ壮大な管楽器の演出がある。正直この楽曲だけでもこのコンサートに来たかいがあると思えるカッコ良さがある。 プログレバンドとオーケストラがここまで溶け込めるのかと思う完璧な楽曲へと仕上がっていた。
8. Seed
8曲目ISAOの代表バラード曲Seedが始まる。バラードならではのオーケストラの壮大さが非常に楽曲にマッチしておりギターソロを上手い事盛り上げている。すごく没入感のある楽曲でギターソロの超絶さかつメロディが綺麗で繊細で引き込まれてしまう。
9. The Tower
そして指揮者をしていた星野沙織をバイオリニストとして呼びISAOと星野沙織のプロジェクトのsoLiのナンバーから9曲目The Towerをオーケストラアレンジで演奏することなった。 このプロジェクトのコンセプトとしてあるゲーム音楽の様な楽曲だからこそもあるが、オーケストラアレンジが非常に合っており、このために作られたかの様な楽曲となっていた。 RPGゲームにあるようなファンタジー感やSF感がありラスボス戦などに流れそうなスリリングな楽曲。この壮大な楽曲はオーケストラコンサートでは聴けない、バンド編成でも聴けない、正にバンドとオーケストラの為にある様な楽曲に仕上がっていた。
10. Golf
ISAOの先輩であり旧友としてデビュー当時からお世話になっていると紹介され、そしてISAOの節目節目の大事なライブなどに必ず出演してくれるというギタリストは飯塚昌明がゲストとして登場。ISAOが20歳の時に作曲した変拍子たっぷりの超難解曲であるGolfが最後の楽曲として演奏された。 変拍子たっぷりの難解な楽曲でありながらも、なんとオーケストラの人達が頭振ったりノリノリで楽しそうに演奏している事が非常に印象的だった。 あまり身体を揺らしたり頭を振ったりしながら演奏するイメージがないだけに、オーケストラの人達もISAOの楽曲が好きで心から楽しんでいるんだなとつくづく感じた。そして恐らく普段はあまり演奏しないであろう変拍子の多くテンポも速い激しい楽曲を弾きこなしているのも改めて凄いと感じた。
そしてISAOと飯塚昌明のギターソロバトルが始まる。技のデパートと評されるISAOから様々なテクニックが出てきては飯塚の超絶技巧で応戦した速弾きギターバトルは圧巻。 ISAOのテクニックの多さに対して飯塚のネタ切れみたいな演出もアドリブであり観客を楽しませた。
こうして全10曲で幕を閉じたISAOデビュー20週年記念のオーケストラコンサート「Sympohonic Spark7」でしたが、本当にISAO集大成といえる濃い内容であり、そして素晴らしい一流ミュージシャンの演奏がロック界やクラシック界のみならず音楽界の様々な人に影響を与える一日になった。 ただ今までやってきた事の集大成というよりも、さらなる躍進を約束するような止まることのないISAOの音楽活動に期待が大きくならざる得ない素晴らしい内容だった。
11月28日 保谷こもれびホールのメインホール 『Symphonic Spark7』セットリスト
01. Cube-Ray (Cube-ray収録) 02. Gain the Day (Spark7収録) 03. Cold Feet (Spark7収録) 04. Zombies in a Dream (Gravity Core, Spark7収録) 05. Atomic Destruction (Cube-Ray収録) 06. Tri Stars (Spark7収録) 07. Cricket Chorus (Spark7収録) 08. Seed (A STRIDE収録) 09. the Tower (soLi収録) 10. GOLF (the Shadow of Eruption収録)
出演: ISAO(Gt.) Mao(Key.) 前田遊野(Dr.) 森田悠介(Ba.) ゲスト 飯塚昌明(Gt.) Spark7オーケストラ (Vn.) Jill(Con.Mas.) 西浦詩織 平本小都美 青柳萌 emyu 小夜子 秋葉彩恵 西野絢賀 (Va.) 飯顕 塩加井ななみ (Vc) 佐野まゆみ 秋津瑞貴 遠藤定(Cb.) SANAE(Hp.)
ヒロムーチョ(Fl.Sax) 高田園子(Ob.) 村上あづみ(Cl.) 丸山佳織(Fg.) 荻原和音(Tp.) 竹内修・石川善男(Hr.) 白井友理恵(Tb.) 山下由紀子(Perc.) 星野沙織(Cond.)(Vn.) オーケストラ・アレンジ 阿部俊祐(1) Mao(2) 成清 翠(6, 7, 8, 9) 荻原和音(10)
20周年記念オーケストラコンサートを映像化
そしてなんと、この一夜りのSpark7のオーケストラコンサートの映像化が決まりクラウドファンディングにより入手可能となった。
「Spark7」は、2004年に立ち上げたソロプロジェクトであり、国内外の素晴らしいミュージシャン達と共にライブ活動を続けております。 2007年〜アメリカ在住の期間中に知り合った、世界的プログレッシブバンドのドラマーなどとミニアルバム2枚をリリースし、帰国後の2014年には、Thomas Lang(Dr) Philip Bynoe(B) 大高清美(Org) Tony Macalpine(G) e-ZUKA(G)を迎えフルアルバムをリリースしました。 その後も国内だけでは無く、George Kollias(Dr)Gianluca Ferro(G)などヨーロッパのミュージシャンを招きツアーも行い、現在2ndアルバムの制作中です。 (CAMPFIRE紹介ページより抜粋 )
コロナ禍で観覧を断念した方々に届けたい思いで始まったプロジェクトでもあるCAMPFIREクラウドファンディングページ「オーケストラとの公演を映像化するためのSpark7 Project 」も是非チェックしプロジェクトの応援、そしてこの機会を逃さぬよう映像を手にしてほしい。
CD作品
Amazon ISAO / Gravity Core メーカー : Spark7musicEAN : 4580285960955レーベル : spark7musicASIN : B005H86N1U
Spark7 / Spark7 メーカー : Battle Cry SoundEAN : 4562396230196製造元リファレンス : 43190-385958レーベル : Battle Cry SoundASIN : B00P8R4R9U
Cube-Ray / Cube-Ray メーカー : インディーズ・メーカーEAN : 4997225474906レーベル : インディーズ・メーカーASIN : B000UVK5I6
Cube-Ray / the Shadow of Eruption メーカー : Battle Cry SoundEAN : 4562396230080製造元リファレンス : BCS-58007レーベル : Battle Cry SoundASIN : B00C5VHISE
soLi / soLi メーカー : Walkure RecordsEAN : 4560434617992レーベル : Walkure RecordsASIN : B081RBLFNW