<Musician’s Question>ではアーティストが活動する上での疑問や問題、音楽業界に関しての知られざるさまざまな情報を発信しています。
第3回のテーマは、音楽だけを専門に勉強することができる音楽専門学校についてお話します。
<目次>
- 音楽専門学校とは?
- ネット上の声
- 学校の選び方
1.音楽専門学校とは?
アーティスト・プレイヤー系、サウンドクリエイター系、音響・レコーディングエンジニア系、コンサートスタッフ・音楽スタッフなど、音楽に携わる分野を専門に扱っている教育機関です。
音楽専門学校の数は全国に120校ほどあり、東京都内だけでも30校以上もあります。
主にアーティスト・プレイヤー系とエンジニア・スタッフ系に分かれ、音楽・音響・パフォーマンス・ステージ技術などを実践的に学ぶことができます。
学校別に差はあれど、機材や練習スタジオなどがあり、専門設備も充実した環境が整っていると言えるでしょう。
▽都内の主な音楽専門学校
・専門学校 東京ビジュアルアーツ
http://www.tva.ac.jp
・ESPエンタテインメント東京
https://www.esp.ac.jp/tokyo/
・音響芸術専門学校
https://www.onkyo.ac.jp
2.ネット上の声
筆者自身バンドをやっているため、周りにはたくさんの音楽専門学校卒の方や、在校生と接する機会があります。その際や、ネット上で見聞きする評判をまとめ、考察していきたいと思います。
専門学校・推奨派が語るメリット
・音楽漬けの専門学校生活を送ることができる
専門知識を得たい、音楽を仕事にしたい場合、一定の時間以上をある意味、半強制的に音楽に費やす環境を作ることができます。全ての人が一人で勉強できるわけではありませんし、その時のモチベーションに関わらず学校という括りの中で授業やテストがあるため、音楽をせざるを得ない環境になります。
・プロの講師から勉強できる
講師をされている方たちは現役で音楽業界で活躍されている方も多く、スキルを学べるのはもちろん、業界の情報や実際の現場のお話などを聞けたりもします。
さまざまなプロの指導や情報を直接得られるというポイントは専門学校ならではのメリットと言えます。
・音楽仲間を作ることができる
音楽を学びたい、音楽を仕事にしたいという同じ志を持った仲間と出会えるという強みがあります。レベルやモチベーションにはそれぞれバラつきがあるのは当然ですが、本気で取り組んでいる人との交流や、切磋琢磨できる環境は魅力の一つでしょう。
・コネクションを作れる可能性がある
事実、筆者の知人も在学中に講師のサポートとして仕事を受けたり、学校のイベントに音楽系の企業や事務所関係の方も来ることからチャンスは多いように思えます。
・一定レベルの設備が整っている
授業や技術レッスンのスタジオ以外にもレコーディング、舞台、音響、照明といった施設や機器が完備されています。通常、こういった環境は実際の現場でないと触れることはありませんが、専門学校では現場さながらの機器、設備で実践することができます。
専門学校・非推奨派が語るデメリット
・周囲のレベルが低くて後悔する
専門学校に行く前から知識や技術がある人は、周囲のレベルの低さに後悔することがあるようです。ほとんどの音楽専門学校には入試が存在せず、学生の音楽に対する知識や技術に大きなバラつきが生まれます。
・音楽関係の仕事に就けずに後悔する
どの業界にも当てはまりますが、学校を卒業したからといって希望の仕事ができる、食べていける訳ではありません。卒業後すぐにデビューできる、講師になれる、音響として働けるなど、イメージが先行してしまい後悔に繋がることが多いようです。
・独学も可能
インターネットが盛んな現代では、実技を含めた授業の内容はほとんど自分で調べられます。
参考書も簡単に手に入りますので、知識や情報という点で言えば個人で得られる部分は多いと言えるでしょう。
・学費が高い
音楽専門学校の2年間の学費は、200万円以上かかることが多く、人気の学校だと、250〜280万円ほどかかります。前述のことなどにより、かけたコストに見合わなかったと後悔する方も多いようです。
メリット・デメリットの考察
メリットとして挙げられたものは専門学校の環境に対してされた評価が多く、デメリットは、入る人やその後の結果、コスト面が挙げられました。技術や知識の面で言うと、ローコストで得られる時代です。
モチベーション次第では個人で得られると考えられますが、リアルな体験、実際の繋がりなど音楽に携わっていく上で重要なメリットは多々あると言えるでしょう。
最終的には自身のビジョン、かけるコストに見合うと判断の上で決定することが大切なのではないでしょうか。
また、その判断に重要な情報の集め方を次項でご紹介します。
3.学校の選び方
今回は2点ほど挙げてみたいと思います。
・在校生、卒業生のリアルな実態を把握すること。
・講師の実力をキャリアから推測すること。
なぜこの2点かと言いますと、SNS全盛の昨今、探しさえすれば自分が気になっている学校の在校生や講師が発信している情報はすぐに見つけられるからです。
SNSなどでDMを送れば実情も聞けますし、アーティストであれば人脈も広がり、無駄になることがありません。また、講師のキャリアを調べ、自分の理想に近ければ直接学ぶことに意義も生まれます。
音楽専門学校では、オープンキャンパスや無料体験、レッスン見学などに行き、施設や機器、授業を直接見たり体験することができます。ネット上での情報収集も大切ですが、直接話し、見て、体験したことを判断の材料とすることも重要なことだと思います。
まとめ
今回は音楽専門学校についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
物事にはメリット・デメリットはつきもので、この情報化社会ではさまざまな情報を手に入れることができます。この記事を含め、音楽専門学校に関する情報はたくさんあり、判断の材料となることでしょう。
何よりも大切なのは、どちらを選んだとしても後悔はついて回るかもしれないので、最終的には自分の意思で納得できる決断をするということではないでしょうか。
自分の理想に近づくためにはどんな勉強・環境が必要なのか、どんな進学先を選んだらいいのかというふうに考えてみてください。
この情報であなたの音楽活動の幅が広がることを願っています!