和製R&Bの美しい日本語の歌詞は知っているだろうか?
実は、アメリカの世界的なR&Bの世界もあるが、日本の和製R&Bの歌詞は、アメリカのR&Bのリズムに綺麗な日本語を乗せたリリックが、好感を覚える。
・まずはR&Bの歴史から
R&B=リズム・アンド・ブルース の略。もともとは、アフリカ系アメリカ人が生んだポピュラーミュージックのことをいう。1940年代、黒人ミュージックチャート「レイス(人種)」から「R&B」に表現を変えたことで広まった。
それからトレンドになったSOULやFUNK、エレクトロミュージックなども取り入れるようになり、R&Bは純粋な音楽ではなく、多面性を持った音楽へと変化していった。現在のR&Bは、4つ打ちやビートの効いたダンス・ミュージック色の強いものから、ゴスペルやソウルフルなメロディーや歌唱で聞かせるようなものまであり、幅広い音の種類がある。
HIP HOPも、もともとはジャズやブルース、ゴスペルを起源としたR&B傘下の音楽と言われていることもあり、他のジャンルでもR&Bが土台になっている楽曲も多く存在する。
・和製R&Bという音楽を数多く作ったプロデューサー
R&Bは、もともとはアメリカで生まれたものだが、和製R&Bと呼ばれる日本語の美しい歌詞が乗った音楽もたくさん作られている。
最近では、アートとR&B、美しい歌詞、サウンドをかけ合わせたような作品もあり、音楽というフィールドを超えたものとなっている。
美しい日本語を使ったR&Bで、群を抜いているのがNao’ymt(ナオ’ワイエムティー)という作詞から作曲までこなす音楽プロデューサーである。
Nao‘ymtは、1998年にJine(ジャイン)というR&Bコーラスユニットで音楽活動を開始。2004年より音楽プロデュースを始め、三浦大知、安室奈美恵など数々のアーティストに楽曲提供を行っている。
・歌詞から見える美しい日本語の世界
Nao’ymtの作風から言えるのは、圧倒的な日本語の美しさ。そして、ところどころに水が流れる音や和楽器の音などを入れ込み、日本の美しさをサウンドで上手く表現している。そして、さまざまな和製R&Bがある中、Nao’ymtの美しい日本語の文章が、音楽を聴いたあとでも胸の奥に刻まれるように残る。
・2014年には自身のアルバム矢的直明 2014』を発売
彼自身がNao’ymtではなく、矢的直明の本名で作った作品。
日々、思い出される過去の記憶をしるしたような歌詞が、とても印象的に残る。
【 Cold 】
『つまらないことばかり 半分の物語
黄昏れる野原に 深く刺さる鋏
きみとぼくの境 杭を打ちふさがり
追う後ろ姿に 揺れてる髪飾り』
【Beautiful】
『ものの芽誘う
東風はのどけし
散る花運ぶ
遠き木洩れ日』
楽曲の歌詞は、まるで本を読んでいるかのように美しく、日常の中に誰もがふと持つような感情を、風情がある日本語で表現している。プロデュース業を行いながらも、彼自身も不定期に作品を発表している。
・ドラマティックな和製R&B
和製R&Bにも、さまざまな歌い手がいるが、有名なアーティストのプロデュースから、自身の作品までを手掛け、ボーカルも行い、幅広い才能を魅せている人は珍しい。
是非、矢的直明が作り上げた和製R&Bの世界に耳を傾けて欲しい。ドラマティックな和製R&Bの美しい歌詞と音の世界に足を踏み入れたら、懐かしい日々や忘れていた感情が音と共に蘇ってくるかもしれない。
Nao’ymt official site http://naoymt.com/